2019年10月18日

恩赦55万人決定=3年経過罰金刑に絞る−即位礼の22日実施・政府

政府は18日の閣議で、天皇陛下が即位を宣言する22日の「即位礼正殿の儀」に合わせ、同日付での恩赦の実施を決めた。

比較的軽微な交通違反などによって罰金刑を受け、納付から3年以上が経過した約55万人が対象で、恩赦の種類は、喪失・停止された資格を回復させる「復権」のみとした。これ以外に申請に基づき認めるケースもある。

恩赦は憲法に基づく制度。内閣が決定し、天皇の国事行為として行われる。平成に代替わりした際は、1989年2月の昭和天皇の「大喪の礼」と90年11月の上皇さまの「即位礼正殿の儀」に分けて実施され、89年は有罪判決の効力を失わせる大赦を含む約1017万人が、90年は罰金刑(納付から3年未満含む)の約250万人が対象となった。今回は犯罪被害者への配慮から対象者も種類も絞り込んだが、識者の間には司法判断を行政が変える制度自体に根強い異論がある。

菅義偉官房長官は18日の記者会見で「令和の時代を迎え、即位の礼が行われる慶事に当たり、罪を犯した者の改善更生の意欲を高め、社会復帰を促進する見地から恩赦を実施する」と述べた。

恩赦には、要件を定めて一律に実施する政令恩赦と、申請に基づいて個々に審査する個別恩赦がある。

今回は政令恩赦として、2016年10月21日までに罰金を納めた約55万人が対象となった。罰金刑を受けると、原則として医師や看護師など国家資格を取得する権利が5年間制限されており、こうした権利が回復する。法務省によると、対象者の約8割が道路交通法や自動車運転処罰法などの違反。公職選挙法違反による罰金納付から3年がたった約430人の公民権なども回復される。 

2019/10/18時事通信

bouhantaisaku at 11:38│ 防犯 
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